野崎 正蔵 コラム

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「現行ルートで促進」と掛けて何と解く?
2022年07月01日
「現行ルートで促進」と掛けて何と解く?
またもや「???」の珍問答、

6月30日、新聞各社は、県はリニア中央新幹線建設期成同盟会に対し「現行ルートいでの整備を前提に、スピード感をもって静岡県内の課題解決に国と協力して取り組む」と回答したと。報じた。
これは、29日に開かれた知事記者会見での取材をもとにしたもであるが、実際の会見での記者とのやり取りは、またしても
「???」が浮かぶやり取りであった。
以下が、29日の記者会見でのやり取りである。

(記者)
リニアについて期成同盟会の質問状への返答で、現行ルートでの整備を前提にと記載されてますけれども、このような文言記載されたということは今後一切ルート選定の疑義やルート変更に言及しないという理解でよろしいんでしょうか。

(知事)
そうですねこの現行のルートの中で、南アルプスのトンネル工事について不安とか懸念とかが表明されております。
それについて専門部会を2つ設置しましてやってきてるわけですね。ですからこのルートを前提にしてやってるわけであります。

(記者)
いや、ですので私が聞いたのは、今後一切ルート変更への疑義ですとか、ルートを変えた方がいいとか、今まで知事が言ってるようなことは一切言わないという、理解でよろしいんでしょうかということを聞いてます。

(知事)
そうですね、これはもう専門部会有識者会議の議論に任せるということであります。

(記者)
では有識者会議とか専門部会でルートを変えるというような話がなければ、知事はそのような話は一切しないという理解でよろしいですか。

(知事)
これは昨年の6月のいわゆる知事選でですね、自民党のリニア中央新幹線の特別委員会のメンバーでありかつ、鉄道局を所管しておられた副大臣がですね、

(記者)
いや、岩井さんの意見はいいんです。岩井さんの意見はよくて、知事の意見を聞きたいんです。岩井さんがそうやって言ってたとかいうのは、あくまで事実でしかなくて、別に岩井さんが知事の思想に影響を及ぼしたわけでも何でもなくて、知事の意見を聞きたいんです私達は。

(知事)
私どもは、この有識者会議の意見はですね、意見交換をしっかり見守っていきたいというふうに思っております。

(記者)
いやだからそれはわかってる、だから、有識者会議とか県の専門部会がルート変更をすべきとか、そういう話が出ない限り、知事はもうルート変更の話とか、ルート選定の疑義をしないということで、いいのかってこと僕はずっと聞いてるんです。YESかNOかですよ。

(知事)
私はリーダーシップをとりません。

(記者)
じゃあ知事はそこら辺で有識者会議とか専門部会でルート変更の話が出なければ、自ら先導してルート変更とかルート選定と、疑義の話はしないということでいいですね。

(知事)
私が先導することはありません。

(記者)
わかりました。

(記者)
今のお話を踏まえますと、この6日に国交省に送ったこのルート決定過程における疑義というのは、回答いただいたということですけど、これに関しては県はどのように対応していくんでしょうか。

(知事)
これは事実のですね、決定過程についての説明だけがあったので、疑義に対する回答になってないわけですね。しかもこれは環境について影響が小さいかどうかは関係なしに、合理的に速達的、速達性ですか、経済合理性によって選んだと言ってるわけでありまして、だからこの疑念に対して答えてらっしゃらないのでですね、疑念をぶつけるということであります。

(記者)
更に回答をまた求めるということですか。

(知事)
回答がなかったので回答を求めるということです。

(記者)
それはまた文書で求めて?

(知事)
もちろん文書で求めて、またそれを公開して皆様方にもお配りいたします。

(記者)
今ルート選定の疑義やルート変更については知事の方からは言及することはないというふうにおっしゃったと思うんですけれども、一方でこちらの文書では疑義があるっていうことを、さらに追求していくということで、そうするとこのルート選定の疑義の問題というのは、着地点としてどこに着地していくんでしょうか。

(知事)
それはもう国交省がですね、しっかりJR東海とまた平成24年に出されたこの報告書、これ概要しか出てきてないわけですね。
平成24年の報告書、これは巨摩山地と南アルプスについて、環境について報告したものです。
これ我々は持ってないですよ、平成25年のこの南アルプスに関わる環境に関わる様々な論点は知ってますけれども、こうしたものをですね、しっかり表に出していただいて、国交省として、環境にしっかり配慮した上でルートを決めなさいというふうに言ってるわけですから、それをどのように配慮されたのですかということはですね、環境省からオブザーバーとして出てらっしゃるのでお聞きしていただいて、全て表に出していただいて、そしてですね、そうしないと我々納得できないんじゃないでしょうか。
住民の人々は、納得できない不安や懸念は解消できないというふうに思っております。

(記者)
納得できないけれども、その現行ルートに関しては、それが前提で議論を進めていくということ?

(知事)
今現行ルートを前提にして全て議論をやってるわけですね。
南アルプストンネルルートってのは現行ルートです。
それに関わる地質水資源、あるいは生態系、これについて議論してるわけですから、それを前提にしなければこういう議論、専門部会、有識者会議ってのはありません。47項目ってのは全てこのルートを前提にして議論してるわけです。

(記者)
だけど選定には疑義があるので、そこは明らかにしてくださいよということ?

(知事)
そうですね疑義があることはですね、これはもう国策ですから、国民の福祉厚生のために、福利厚生のためにあるわけで、ですから全てこれを公にするべきものであると思います。

(記者)
納得する回答が得られるまで、やりとりは、これに関しては続けていくと。

(知事)
それだけ義務がJR東海にも、またそれを指導する義務が国交省鉄道局にあると思いますね、大臣閣下にはあると思いますし、環境省は、いわば、神経を逆なでされるようなことをここで述べられてるわけですから、環境大臣意見もですね、無視されてるんではないかと思うので、環境省としても、この件については、釈然としないところがあるんじゃないかと思います、釈然としないところが、やはり環境省としては釈然とするまでですね、しっかりとやりとりをしていただかねばならないと、そういう意味で環境省の意見を聞きたいと、先ほど申しました。

(記者)
これ全く国交省からの説明がもう納得いかないままだとしたら、やっぱりルートは今のまま認められないってことにはならない?

(知事)
これはこれとして、はっきりさせていただいて、今生態系の議論をこれからどういうふうにするかってことで現地入りして調査をしたりですね、なさるということでございますから、それはそれとして47項目全て議論をするという約束のもとで、有識者会議が今開催中でありますから、これはこれとしてやってもらうということになります。

(記者)
わかりましたありがとうございます。

(記者)
今の共同さんのご質問は、納得を得られないなら、ルート変更というお考えになるんじゃないですかというご質問だったと思うんですけど。

(知事)
これはですね、我々は事業者じゃないんですね、全幹法、全国新幹線整備法に書かれてありますように、事業者がお考えになってることを、お決めになっていること、これが尊重されねばなりません。そのように法律に謳われていますから。それを指導するのは国交省ですからね、今環境省もこれからんでるわけです。
その二つの意見のもとに、この地元へのこの理解を求めるということでやってるわけで、今その中身を詰めてるわけですね。ですからあのこちらが、何て言いますか新幹線のルートをですね、どうするああするっていう、言えるような資格も、立場を責任も義務もありませんで、ですから私は申し上げてるように有識者会議でJR東海がそこに当事者としていらっしゃってですね、全面公開のもとで、疑念についてしっかりと答えられればですね、何にもこれ問題ないわけですよ。

(記者)
知事からは、ルート変更の議論というのはされないということでよろしいですよね。

(知事)
そういうことです。

(記者)
わかりました。

(記者)
先日JR東海の株主総会があったんですけれども、株主に取材してみるとインタビューした方の多くが、静岡県が工事を止めているという趣旨の話をしていまして、中には勘違いともとれるような発言もありました。
知事としては、県外に理解を求める静岡の立場を伝えるために改めて何をしていけばいいとお考えでしょうか。

(知事)
もう県の立場、一貫してます。
リニアがサービスを開始すればですね、既存の新幹線のサービスも変わりますので、これは県民にとっていいということがあります。
だからリニアに対して反対はしてないわけですね。しかし一方で、このルートが決まった決定がですね、極めて短期間だったということがわかってきております、従ってそこで、どういうふうなこの資料が出されて、どういう決定がなされたということは、その県民の生命や財産や生産、生業に関わるものでございますから、ここは明らかになってないとですね、ならないということで、明らかにする義務がJR東海さんにあるわけですね。
だからそれを丁寧に住民の理解を得るようにしなさいということを、環境大臣も国交大臣もくぎを刺していらっしゃるので、それにのっとって我々はやってるということですね。

(記者)
確認なんですが、このあいだ始まった生物多様性とか、生態系議論する国土交通省の有識者会議、この場でルートの選定過程ですね、特に3キロ幅に絞られた過程についても議題にするべきだって、こういう意味でしょうか。

(知事)
違います。
本県の専門部会でですね、田代ダムの話が出てきましたね。
従ってこれ田代ダムの話は、専門部会で議論されればいいと。
同じようにですね、今回のルートに関しましては、専門部会で出てきた説明です。
そこで、その南アルプスのこの環境について、土被りが深いとか、地質が脆弱であるとか、突発湧水があるとか、内空がトンネルの形が変更、変形するとか、そういう資料が出されたわけですね。
それは平成25年に出されたってことがわかりましたので、いったいこれはどういうことですか、ということを聞いてるわけですね。
これはの専門部会の議論ができますけれども、これは国交大臣が交通政策審議会を踏まえて出されたものでありますから、私が国交大臣に対してこれを聞いたということでございます。
従って国交大臣からの意見はですね、専門部会あるいはその有識者会議で議論されるのとまた違いますので、有識者会議は、どういう議論をするかってこともまだですね、決まらないままに発足しましたでしょ。
ですから今度なんていう先生でしたか立派な方がですね、座長になられましたので、一切のこの偏見を持たないで議論をやっていくというのをおっしゃっているのでですね、それに期待したいと思いますが、それに対してこれを議論してくれとかあれを議論してくれとか、ということは言いませんが、47項目、これは踏まえていただかなきゃならないとは思っております。
そこにルートのことは出ておりませんので。

(記者)
あくまでルートの選定過程に関する議論は静岡県と国土交通省のやりとりの中で明らかにすべきだっていうことですか。

(知事)
そうですね差し当たっては、そういう形で偶々専門部会出てきた、4月の下旬にJR東海で出された資料の中にですね、平成25年に出された環境、南アルプスの環境についての資料が孕まれてましたので、したがってそれ出してもらったわけですね。そうするとこれはもうどえらい事が書かれてるってことになりまして、それで私は国交大臣に対しまして、この点について、なぜその巨摩山地と南アルプスとですね、差別化できたのかということを聞いてるわけです。
専門部会でそれを聞きたいとおっしゃってるじゃありませんから、そういう意見もあったようでありますけどね。

(記者)
4月28日、26日でしたっけ、に開かれたの水資源を議論する県の有識者会議の専門部会の方で、そのルートの話になったと思うんですが、あれはその継続してルートの選定過程については、この水資源有識者会議、県の有識者会議の専門部会でも議論していくっていうことでいいんですか。

(知事)
おそらく水資源の方での議論はですね、田代ダムに関わることが中心になっていくんじゃないかと思います。
ただ、資料、五つか六つ出されたと思いますけども、そのうちの資料にですね、見逃し難い、見過ごしがたい資料が入ってました。それにうちのくらし環境部、なかんずく、担当者がそれに気づきまして、そしてその資料の詳細を求めてそして、その詳細を見た結果ですね、平成23年にルートが決まったときの中身と、この齟齬が生じているということで、どうなっているんですかということ、我々の方で聞いてるわけですね、これは直接国交省の大臣に聞いてるわけです。
専門部会でもそれがひょっとして取り上げられるかもしれませんけど、専門部会の意見を私がリーダーシップをとってですね、それを誘導するってこと今までもしてませんし、これからもいたしません。有識者会議についても同じです。

(記者)
今の話で、なんか、くらし・環境部が4月ぐらいに、ものすごい発見したみたいな感じになってますけれども、この資料って、何年か前に、県がダンボール10箱分もらったときに入ってたと思うんですけれども、その話はどうなりましたか。

(知事)
その通りです。

(記者)
じゃ、なぜ、そのとき、気がつかなかった…。

(知事)
気がつかなかったんですね。

(記者)
じゃ、なんでですか、それ。

(知事)
わかりません。

(記者)
わからないじゃなくて、それの方が問題じゃないですか。

(知事)
膨大な資料でしたからね。それがそのときに一番の論点だったのかどうか、こともありますね。
ま、ですから、それは、見つけられなかったというのは問題ですが、JR東海さんの方も出したじゃないかと言われたんですが、もう一度、正確にしっかりと見たいということで、送っていただいたという、そういう経緯があります。

(記者)
そこへの反省はないんですか。
2年前に、ここに疑義があると、2年後に気づくのであれば、2020年の段階で、なぜ気が付けなかったのかという反省はないんですか、県としては。

(知事)
そうですね。気づかなかったのは反省すべきだと思います。はい。

「現行ルートで促進」と掛けて何と解く?



Posted by しょうぞう力 at 15:29│Comments(1)
この記事へのコメント
文字起こし、ありがとうございます。

ここまでくると、もう病気ですね。
次の知事選の候補者は決まっているのでしょうか?
自民県連がしっかりとした対抗馬を出して
活動を始めてくれないと
川勝平太県知事に「?」と思っている県民は
選択肢すらないんですけど?
Posted by 通りすがり at 2022年07月02日 20:27
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